作家 栗本薫さんが死去

ガンで入院しているのは知っていましたが、昨日亡くなっていたなんて。
グイン・サーガも順調に出版されていたので、まさか亡くなるとは思ってもいませんでした。
人の命のなんとはかないことか。
彼女の神楽坂倶楽部を読んでいても、本人も死ぬかもしれないとはちっとも考えていないようにみられましたが。
それとも報告されていた以上に容態は悪かったということなんでしょうか。

最近のグイン・サーガの内容には、アマゾンの書評などもかなり手厳しくて、このままでは読み続ける気がしないといった声が多かったように思います。
私も、少々ケチをつけたくなるような展開が目に付いていました。
死ぬほどの病気だったんだから、作風が乱れてもしょうがないと考えるべきなのでしょうか。
それとも、晩節を汚すような作品を発表させるのを、周りの人に止めてもらった方がよかったのかなあとも思います。
まあ生きていた頃には、そんなことは出来っこないでしょうが。

栗本薫との付き合いはいつからだったかなあ。
小説「JUNE」を読んだのは高校生くらいでしたか。
そうすると、30年前から彼女の読者だったということですね。
多分ほとんどの小説、評論、エッセイは読んでいると思います。
もちろん彼女の耽美系の小説群も。
彼女には、若い頃から精神的にも指向的にも、多大な影響を受けてきました。
いまや大きなジャンルに成長したボーイズラブを最初に書いたのは、当然栗本さんだと言えるでしょうし。
あの頃はかなりマイナーな趣味だし、女性がそういったものに興味があるなんてことは、とても人様に知られてもいいようなものではありませんでしたしね。
現在では腐女子などと自称して、平気で語れる趣味になっていますが。

それにしても、グイン・サーガも、他の諸々の小説も、皆ラストまで語られずに、中途半端なまま未完で終わってしまったんですね。
アマゾンの書評欄で、私は以前
グイン・サーガが最後まできちんと完結するとはもう思っていない。
 これはこれでまあいいんじゃないか」
というようなことを書いたことがあったが、結局そのとうりになってしまいました。
栗本さんも、平井和正も、田中芳樹も、私の好きな作家さんたちは皆話を広げるだけ広げて、そのまま10年もほっぽったままにする人たちなんだよなあ。
まあ後の2人はまだ生きているから、完結することがいつかはあるかもしれないとはいえるが、多分無理でしょうね。

森田透のその後はこのままもう永遠に書かれることはないのかあ。
栗本さんも彼については一応の決着はつけたように書いていたので、もうその後日談を執筆する気は無かったようだが、それでもファンとしては何かの拍子に続編が書かれることもあるのではと、わずかな期待をよせていたんですがねえ。
「嘘は罪」
にほんのわずか登場させたのが最後になってしまったのかなあ。
それとも他の耽美系の小説にちょっとでも出ていましたかねえ。

長年の読者だったのに、あんまり悲しい気がしないのは申し訳ないが、やはりいつの間にか彼女の影響から少しづつ抜け出してしまっていたのかしら。



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ありがとうございました。





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